(ライデンのシーボルトハウスの胸像、憂いを宿した瞳が見つめる方角は日本?)
日本人でシーボルト(Siebold)の名前を知らない人はおそらくいないだろうけど、オランダでの知名度はほとんどなし。そもそも自国が日本の鎖国時代に唯一貿易を許可された国で、歴史上、日本にとって特別な意味をもつ国ということを知っている人がいないしなぁ。ごく普通のオランダ人の頭の中の歴史ページに登場する日本というものは、残念ながら「第二次世界大戦のときの敵国」とこちらに暮らしていると感じる。
この胸像の前で、オランダ人の年配カップルと立ち話をしていて「日本人は教科書で必ずシーボルトのことを学ぶし、日本女性との間に生まれた女の子は日本で初めての女医だったんですよ」と話すと「そんなに有名な人だったんだ」と改めて銅像をしげしげ見つめていた。
元々シーボルトはドイツ人。コネをつたいオランダ政府の職を得て、念願の日本赴任のチャンスが巡ってきたのである。 日本人の通詞(通訳)は、彼のオランダ語をちょっと変(ドイツ語が母国語なので)と指摘し、シーボルトは冷や汗かいたのだとか。江戸時代だというのにちゃんと聞き分けるなんて通詞すごすぎる!