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2012年2月19日日曜日

言語は国家のアイデンティティ

産経新聞の「大阪から世界を読む」に気になる記事がでていた。

えっ、英語はアメリカの公用語じゃない? 米大統領選の「隠れた争点」 

政敵排除の思惑は否めないがメディアが注目したのは英語だ。エスカミラ市長は、ニューヨーク・タイムズに「パンドラの箱をあけてしまった気分だ」と、あまりの注目ぶりに戸惑いをみせた。
「英語ができず米国に住むことは低賃金労働者として生きることだ。英語なくして十分な社会貢献もできないし、民主的なプロセスにもきちんと参加することはできない」 
言語政策は米国にとどまらない問題だ。英国は2010年に欧州以外の移民希望者に対する英語試験を義務化し、ドイツにも同様の制度ができた。メルケル独首相は自国がとってきた移民政策を自省し、キリスト教的な価値観やドイツ語の習得を強く訴えている。
世界のあちらこちらで、移民、国家の一体感、言語の問題がクローズアップされてきているんです。

外国に住まう以上、言葉を覚えるのは当然だと思うものの、これだけの時間とエネルギーをさいて、オランダ語を習得しても、「ある日突然、公用語がオランダ語から英語になったら、どうなるんだろう。」と思わないでもない。なんでも極端なオランダ政策なので、まさかということだって起こるかもしれない。

実際、海外からの留学生を多く受け入れている大学では、公用語を英語にしようという動きもあるようだ。世界にうってでて厳しい競争に打ち勝つには、高いレベルの英語でのコミュニケーション能力はあたりまえ。ちょうどユニクロや楽天が社内公用語を英語にしようとしているように・・・

その一方で、断固として保守を貫く派もいる。

大学院時代、クラスメイトたちと世界的にも有名な観光施設の調査にいったときのことだ。訪問者に対して顧客満足度などに関する聞き取り調査を行ったのだが、オランダ語の表記しかなくて「大変困っている」と多くの苦情を受けた。級友は、怒りまくったおばあちゃんに絡まれて、半時間近く立ち往生したと、こぼしていた。

その後、調査結果をまとめてスーパーバイザー(米国人)が施設に提出したところ、フンと鼻であしらわれたのだ。そのときに噂になったのが、同化政策のことである。便利な英語の看板を立てると外国人は甘える。外国人になんとしてもオランダ語を理解させるために、あえて、不便でもオランダ語の看板しか立てないのである。

「えー?観光客相手の施設なのに??」と皆で不思議がったものだ。ま、あくまで噂の域はでないけれども、冷たいオランダ人という印象をもった級友は多かった。


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