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2008年10月12日日曜日

移民同化政策とオランダ語学校

今週、オランダ語学校は秋休みで、ほっと一息です。

ゴタゴタぶりは相変わらずで、ほとんどの生徒はとっくの昔にあきらめて無気力になっています。

語学学習が大変というよりも この国のひずみが、顕著にあらわれている「移民同化政策」の真っ只中に放り出されてしまったところにあるんだと思います。社会学者かルポライターの目線でみれば、なかなか興味深い事象なんでしょうけど、当事者になってしまうのはちと勘弁です。

生徒に対するケアはまったくなし
先々週、クラスメイトの一人(国連の難民認定者)が「この半年は全く無意味だった」といい置いて、他の街の学校にうつってしまいました。彼は別の自治体からやってきていたのですが、夏に市役所から呼び出しを受けて、効果があまりにもあがっていないことから、個人メンターがつく別の自治体のカリキュラムに行けることになったのです。

彼の場合、夏前の公共バスのストで、代替交通がなく、1ヶ月半にわたり、ほとんど学校に来れませんでした。でも先生たちに言わせれば「自転車で来ればいいじゃない。甘えてる」の一言です。自転車といっても、雨と風の強い日が多いオランダで、片道45分の距離です。

試験準備の連絡をするために何度か電話をしたら、ずいぶん感謝されました。でも先生からは一度も連絡がなかったそうです。

彼がいなくなるのは大ショックでした。私と同レベルからはじめた生徒さんの中で唯一の残留組で、クラスをユーモアで盛り上げてくれる人だったのです。授業中、一緒に冗談をいって、笑いをとりあったものです。でも今のクラスに残っている人は、どんより~、下を向いているか、場の空気がよめなくて、独演会のように延々としゃべり続ける(先生はそれを止めない)人の両極端で、盛り下がる一方なんだな~、これが。

先生もストレスたまりまくり
そして、先週は授業中に生徒と先生、双方のストレスが爆発。これも初めてのことではありません。

ピンチヒッターでやってきた先生、授業の最初の10分間、生徒に許可を求めると、おもむろにパンをむさぼりながら教えはじめました。朝から働きづめで食事の時間が全くとれなかったそうです。初めての生徒は口をあんぐりです。でもこの先生は、すばらしく熱心で教え方の上手い先生です(夜の授業で何回が会ったことがあります)

ワークブックは全く無視です。重要文法事項の確認をしたあと、簡単な例文を引いて、ひたすらひたすら生徒に繰り返させます。生徒は感激して、一生懸命ノートをとっています。でも生徒たちのストレスが「どうして、学校はこうやって教えてくれないのだ!こういうふうに文法を説明してもらったのは、2年間の授業で初めてだ」と火を噴いたのです。言いだしっぺの彼女は一レベル上のクラスの生徒さん、在住15年です。でも先生は防御にはいります。「君たちのストレスを私にぶつけないでくれ!」そして「くれぐれも、こうした教え方のほうが良いと、他の先生には言わないでくれ。<ワークブックの問題を今日はやりました>と口裏をあわせてくれ、でないと私がトラブルに巻き込まれる」

別のフリーランスの先生も、内幕をもらしてくれたことがあります。先生側の「哀しみ?」が理解できて、ガス抜きになって助かりました。

生徒だけではなく先生も鬱憤をつのらせているんですよ。

歯車がどこかで狂ってしまっているのです。
秋の森、あと3週間くらいでこんな景色がみれます 

きのこの祭典


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