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2011年9月28日水曜日

顔に「つまらん」と書いてあるよ、ギリシア人

先々週、先生がバカンスにいくので代理が立てられていた。

私はいきなり「ごめん、クラスの振り分け間違ってた」状態だったので、本来、自分が属するクラスの先生をよく知らない。旅行とは聞いていたけど、もう9月だし、バカンスではなく週末の小旅行だと思っていた。

だから、代理の先生が英語で自己紹介してきたときは、てっきりクラスメイトの一人だと思った。
やけに若い。まだ学生だそうだ。人のよさそうな、さわやか系の男子である。

教室に行くと若いギリシア人の女性がいるだけ。ぼーっと待っている。

10分くらい経過しているのに先生は、授業を始めるでもなく「もうしばらく皆を待ってみましょう。授業の途中でバラバラ入ってこられるのはよくないので」というではないか。10分経過。さらに10分待ってみるというので「たぶん、もう来ないと思いますよ。時間もったいないし、授業をはじめませんか」と私が言って、それならと授業が始まる。

英語でずっとしゃべっている。ギリシア人が「オランダ語で話してくれ」という。あ、ごめんごめんといいながら、やっぱり英語に戻ってしまう。「頭の中で言葉を切り替えるの難しいですよね」と私がフォローをいれると「そうそう」と苦笑いしながら、ようやく授業を開始することに。

で、いきなりプリントわたして、自習というではないか。

「あのねー!! なら皆を待ちながらの20分にできたでしょ!」と・・・口にはださないが、なんとまあ時間の使い方が下手なことよ。

そんなことするなら、ふだん会話の時間がないので、とにかく今日はオランダ語で話し続けたい、人がたくさんいるときにはできないからとお願いしてみた。ギリシア人も、同感というので、授業は急遽会話レッスンに。

自己紹介から始まった。そこから会話を広げていくような形にしたかったんだけど、ギリシア人の子は、何を聞かれても、「べつにー」「しらないー」「興味ないー」で会話がはずんでいかない。

顔にはっきり「つまらん」と書いてある。

先生と私は、ビールやフットボールの話でもりあがったんだけど、興味がないんだったら仕方ないんで、共通の話題をみつけようと、先生も私も「ビールが嫌いなら、ワインは?」「そうそうギリシアはいいワインがあるよね」とか話をふるんだけど「まあねー」で、やっぱり会話が続かない。

顔に露骨に「ばかみたい」って書いてある。

空気を感じている先生はオロオロしていて、彼女の顔色を伺いっぱなしである。

間にいる私も息苦しい。

外食の話題にしよう、と「お勧めレストランとかありますか?」とふってみたら、先生が「マクドナルド!なんといってもマクドはいいよね」と目をかがやかせて語りだした。

「マクドー!?・・・・(それってレストランかいな。オランダ人からこの言葉がかえってくるとは)」

ひるんでいる私の顔をみて、ギリシア人に「ね、マクドっていいよね」と先生が同意を求める。と、ギリシア人は にわかに 明るい表情になって「私も大好き」と、マクドナル礼賛になってしまった。今度は私がついていけない。

他に先生のお気に入りのものは「フリカンデール」だそうだ。

これって日本人の学生ちゃんが「たこ焼き、ラーメン」っていってるようなものだ。

コーヒーブレークで、ギリシア人が、怒りをあらわにして、私に話しかけてきそうになったけど、真後ろに先生が立っていたので「今はだめ」と目配せ。

そのごPCでTVを半時間ほどみるという。なにもわざわざ、学校にきてまでTVをみなくても・・・・リスニングの練習なら5分や10分程度でいいんじゃない?

彼の選んだのは「老人ホームで、目の見えない人たちがするチェスの話。主題の老人はユダヤの強制キャンプにいたことがある人」

とにかく、テンポがおそくて、主題が主題なので画面からただよってくる雰囲気が暗いし、なんで、よりによってこんな話題を選ぶかなー。それも字幕なしで。10分ほどたったところで、ごめん、チンプンカンプンなんで、ととめてもらった。

帰宅途中、ギリシア人「先生若すぎるよねー」とつぶやいていた。

それにしても、なんで誰も姿をみせなかったのだろう。事情をのみこめていなかったのは私たちだけだったのか。


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