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2011年12月1日木曜日

混乱のもとは、ごった煮のクラス構成

シーボルトの像
一応の建前として、オランダ語学校のクラスは「レベル別」になっている。

が、実態は、さまざまな背景を背負った人たちが ごったまぜで、「闇なべ」状態である。

移住して20年以上もたってオランダ語ペラペラの子供を3-4人も抱えている人たちや、難民、国際結婚した人、東欧などの出稼ぎ労働者、はたまた私の住んでいる土地柄のせいで、学者の卵たち・・・・・なんかが ひとつのクラスに一緒になっているのだ。

どう考えても めちゃくちゃ 無理があるよね。

オランダ語授業は津波方式・・で、溺れかけ・・



クラスメイトはオランダ語にふれてから20年以上たつ人なんてザラ。在蘭10年程度なんてのは短いほう。入国したのが10代前半の子達は、つよいお国訛りのアクセントながらもネイティブなみにペラペラ。でも彼らはなぜか読み書きが全くだめ。私のように予備知識ゼロのものは、一番初めの3ヵ月半ほどの期間を除いて例外中の例外であった。

はたまた難民といっても、政治難民として身一つで国外脱出してきた弁護士、ジャーナリスト、エンジニアなどの頭脳エリートもいれば、部族抗争からのがれてきたのだろうか・・・読み書きがまったくできない難民たちもいる。文字を見たことがないので、本を開いても上下さかさまで、テキストがまったく意味をなさない人もいた。日本人には想像もつかないことだが、本の使い方さえわからない人が これまた結構多数いるのである。

年齢だって上は60代から20歳そこそこの若者。
宗教は断然 イスラム教徒が多数派ながら オーソドックス(正教徒)、ヒンドゥー、ユダヤとありとあらゆる人たちが入り混じる場所である。小さな教室ながら、地球上に生きる人たちの縮図なのだ。


それが、激しく入れ替わる先生と、生徒たちで、メンバー構成は毎回といっていいくらい、違う顔ぶれで、カリキュラムも体系だっておらず、古い学校の授業は、はっきりいって単なる時間つぶしでしかなかった。

1年未満で15人以上の先生


移民問題は、とても一筋縄でいくものではない。
人口移動の多いヨーロッパでは、経済問題と並んで つねに優先順位が高い問題である。
それこそ 宗教、労働問題、経済、人種、世代ギャップ、貧富の差・・・・ 机上の理論では語りつくせないほどの因子が複雑に絡んで 決して正解がないのは一目瞭然。

日本でもときどき「移民受け入れ」の話題がでているようだけど、政治家が実情もよく勉強せずに安易に語るのはやめて欲しい。一方で「移民に国をのっとられる。日本から外国人でていけ」という論調もこれまた極端で、背筋がさぶい。

どうやって着地点をみつけるのか・・・・ ふぅー
これもグローバル化のひとつの現象なんだわ。

移民推進派の御仁かた、一度1年くらいの期間、オランダの移民学校に留学なんていかが?
むちゃくちゃ 勉強になるかと思います。ヨーロッパの移民問題の実態を現場からリサーチするにはこれほどの場所はありません。保障します!(苦笑)

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